■ピロリ菌のべん毛
ピロリ菌は私たち人間の胃や十二指腸の中に住み着く細菌
です。そして、べん毛モーターを回転させて移動している
訳ですが、その回転数は1秒間に100回転にも達すると
言われ、菌体の10倍ほどの長さを一度に移動する事が出来
ます。この移動速度は人間が100メートルを約5.5秒で泳ぐ
のに値し、オリンピックに出れば間違いなく金メダルの
取れるスピードです。しかもスクリューを逆回転させれば、
バックする事も可能なのです。
しかし、我々の胃の内部は胃液に含まれる塩酸によって
強酸性であるため、本来なら生物が生存するのは不可能な
はずです。ところが、このピロリ菌は胃の中で泳ぎ続け、
胃の粘膜に付着しては様々な疾病の犯人となります。その
多くは胃の粘膜を好んで住みつき粘液の下にもぐりこんで
胃酸から逃れていますが、中には、胃酸から十二指腸を
守るためにその粘膜が胃と同じような粘膜に置き換わって
しまった場所に住み着くピロリ菌も少なくありません。
では、何故ピロリ菌は私たちの胃の中に侵入し、そこで
生きる事が出来るのでしょうか?
一説によるとべん毛センサーのお陰だとも言われています。
我々の胃の中は部位によって酸の強さが異なり、胃の内腔
よりも粘液層の中の方が酸が弱いのです。そこで、べん毛
がより酸の弱そうなところを感じ取りそのセンサーの指示
に従って進行方向を選んでいるという考え方でそのべん毛
の先端は袋のような膜でおおわれており、胃酸などから
べん毛を保護しているという理論です。
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