■ピロリ菌とカンピロバクター
エディパルマーの発表を機に、それまで報告されて来た螺旋状
の菌は、「コンタミネーション」によるものだったのではない
かという考えが主流になりました。「コンタミネーション」
とは一種の雑菌混入で、以来、医師や科学者たちのピロリ菌の
存在とその研究に対する興味は薄れて行ったと言います。
ところが30年近くたった1983年、ピロリ菌の研究に再び大きな
転機が訪れます。オーストラリアの病理学者ロビンウォレンと
医師バリーマーシャルが人間の胃から螺旋状の菌を培養する事
についに成功したのです。
この発見には、「カンピロバクター」の微好気培養技術が基盤
となっています。「カンピロバクター」は、ピロリ菌とよく似た
グラム陰性で螺旋状に湾曲した形態を持つ真正細菌の一属の総称
です。一般的には、カンピロバクター症の原因菌として呼ばれる
事が多く「Campylobacter jejuni」と「Campylobacter coli」は
1982年に食中毒菌として指定されています。
その菌体は桿状ですが全体が1〜2回捻じれた螺旋菌で顕微鏡下
ではS字状、あるいはカモメ状に観察されます。芽胞を形成せず、
一端もしくは両端に1本のべん毛を持っているのが特徴で、勿論
運動性はあります。微好気性、又は嫌気性で酸素濃度3%から15%、
及び30℃から37℃の条件で増殖するとされていますが、種類に
よっては微好気性で、二酸化炭素や水素ガスを発育に必要とする
ものもあります。ただし、全般的に乾燥には弱いそうです。
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