■ピロリ菌の命名
ピロリ菌の確定に繋がったカンピロバクターの微好気培養
技術は、1977年にSkirrowらが確立した手法です。カンピロ
バクターは感染性の下痢の原因となる螺旋状の菌で、低濃度
の酸素と二酸化炭素を必要とする微好気性、且、栄養要求性
の厳しい細菌の一種であるため、特殊な培地と培養法が必要
だとされていました。それを現実のものとしたのがSkirrowらで、
さらにその技術を応用したのがマーシャルらです。そして、
その培養法を用いる事によって、慢性活動性胃炎の患者の胃内、
それも幽門付近から螺旋状の菌、つまりピロリ菌を分離する
事に成功しました。
ピロリ菌は発見当初、光学顕微鏡で観察した形態の類似性と
微好気性であることが共通していたところから、カンピロ
バクターの一種と考えられ、幽門に存在する湾曲した細菌と
いう意味の「Campylobacter pyloridis」と命名されましたが、
ラテン語の文法上誤りである事が判明したため、1987年に
「Campylobacter pylori」に改名されました。さらにその後
電子顕微鏡下での微小構造の違いや遺伝子の類似性から
あれこれ改められ、1989年にはカンピロバクターとは別の
グループとして、新たにヘリコバクター属が制定、それに伴い、
”Helicobacter pylori”と名称変更され、以来ピロリ菌と
呼ばれるようになったようです。
さらに、フェレットやサル、ネコ、チーターなどの動物の
胃からも同様の菌が分離され、それらもヘリコバクター属
に分類されました。
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